2007年政治決戦。公明党の新たなスタート。7月30日付公明新聞より
第21回参議院通常選挙は29日、投開票された。公明党は選挙区で大阪選挙区の白浜一良氏、東京選挙区の山口那津男氏が当選を確実にしたが、愛知選挙区の山本保氏、埼玉選挙区の高野博師氏、神奈川選挙区の松あきらさんは惜敗した。比例区では山本香苗さん、木庭健太郎氏らがトップを切って当選確実となり、6議席を確保するなど着実に得票を伸ばした。自民党は改選議席を大幅に減らして後退。一方、民主党は議席を大幅に増やし、非改選議席を含め参院で第1党になり、野党で過半数を確保することが確実になった。公明党は連立政権で実現した多くの実績を強調し、「未来に責任を持つ公明党」を訴えた。公明党に対し、昼夜を分かたぬ献身的なご支援をいただいた党員・支持者、創価学会員の皆さまに深く感謝を申し上げます。
公明党の太田昭宏代表、浜四津敏子代表代行、井上義久総合選挙対策本部長(副代表)、北側一雄幹事長、高木陽介選挙対策委員長ら公明党執行部は、参院選の投票が終了した午後8時すぎから東京・新宿区の党本部に駆け付け、全国各地の開票状況を見守った。
午後8時6分、比例区で公明党が5議席を獲得したとの一報がもたらされ、このうち、前職の山本香苗さんと木庭健太郎氏の当選確実が伝えられた。
続いて、午後9時18分、公明党の5選挙区候補のトップを切って、大阪選挙区の前職、白浜氏の当選確実の報が飛び込んだ。同選挙区では、選挙最終盤まで残る1議席を白浜氏と共産党候補が激しくデッドヒートを展開。白浜氏の「“常勝の1議席”を断じて守る」との渾身の訴えに、党員・支持者が壮絶な追い上げで情勢を逆転し、競り勝った。
これを受けて、午後9時42分、太田代表、浜四津代表代行、井上総合選対本部長、北側幹事長、漆原良夫国会対策委員長、斉藤鉄夫政務調査会長、高木選対委員長らが、同センター内に特設された公明党の選挙区候補者名、比例区候補者名などを掲示したボードの白浜氏(大阪選挙区)、山本香苗さん(比例区)、木庭氏(同)に、党の赤いシンボルマークを付けた。
さらに、午後11時15分には、東京選挙区の前職、山口那津男氏の当選確実が伝えられた。東京選挙区では、残る2議席をめぐり、山口氏と自民新、無所属新、共産新と横一線の大接戦のまま投票日へとなだれ込んだが、最終盤の追い上げで、山口氏が混戦を突破した。
【東京選挙区】
「勝った! 勝ったぞー!」。「当選確実」の報が入ると、東京・千代田区内にある山口那津男氏の選挙事務所は、詰め掛けた支持者の大歓声と拍手に包まれた。山口氏は党員・支持者とがっちり握手を交わしながら、大接戦を勝ち抜いた喜びを分かち合い、「皆さまからの熱い、熱い、ご支援に心から感謝します」と御礼のあいさつを述べた。
【大阪選挙区】
激戦を展開した白浜一良氏の選挙事務所では、詰め掛けた党員・支持者らが、固唾をのんで開票速報を見守った。「白浜一良、当確」。待ちに待った朗報に、事務所内は爆発的な歓声に包まれた。白浜氏は「皆さまのご奮闘で常勝関西の伝統の1議席を守り抜くことができました」と声を震わせた。
「政策審判の選挙」となった今回の参院選、公明党は、「未来に責任を持つ公明党」か、「未来に無責任な野党」かを問う選挙と位置付け、人口減少社会にあって、少子化対策や、年金問題などの課題が山積する中、次の世代により良い日本を渡していくために、公明党の「実現力と解決力」を訴え、全魂の戦いを展開した。
公明党の連立政権参加から約8年が経過。安定した政治の下で、景気・経済は順調に回復してきた。いよいよ日本の将来を見据え、力強くスタートを切る“正念場”の時期。「断じて政治を混乱させ、停滞させるわけにはいかない」「景気回復、経済成長の果実を、企業から家計へ、都市から地方へ、大企業から中小企業への大きな流れをつくっていく」などと力いっぱいアピールし戦った。
公明党は参院選で「未来に責任を持つ政治」をスローガンに掲げ、政策綱領「マニフェスト2007」を発表。ドクターヘリの全国配備、がん対策の強化、医師不足対策からなる「命のマニフェスト」や、児童手当、出産育児一時金の拡充などの子育て支援策、年金記録問題への対応など、多岐にわたる具体的な政策を訴え、マニフェスト進ちょく率98%の「実現力ナンバーワン・公明党」をアピールした。
また、子どもたちの未来、働く人の未来、確かなる社会保障の未来のために全力で働くとの決意を表明。庶民、中小企業、地域で困っている人たちの側に立ち、数多くの実績を積み上げてきた政策実現力と、生活現場を最も大事にする「現場第一主義の公明党」を一貫して訴え、堂々の選挙戦を展開した。
選挙戦で民主党は、年金記録問題や定率減税の廃止などを党利党略に利用。無責任に国民の不安をあおり、政府に対する批判票の受け皿になろうと躍起になった。
マニフェストでも、肝心な数字が全くない、あやふやな年金制度案や、児童手当の拡充に何度も反対してきた事実と矛盾する選挙目当ての「子ども手当」、農家の努力をムダにする単なるバラマキにすぎない「戸別所得補償制度」など、国民受けだけを狙った政策を並べ立て、財源論を無視した非現実的な主張を繰り返した。
また、小沢一郎代表は、「生活が第一」との主張とは裏腹に、「政権第一」「政局第一」の姿勢を鮮明にし、まともな政策論争とはかけ離れたパフォーマンスに終始した。