資源循環と地球温暖化防止に寄与する清掃・リサイクル政策を求める決議とあべ力也議員に対する議員辞職勧告決議

 

9月26日の本会議にて、資源循環と地球温暖化防止に寄与する清掃・リサイクル政策を求める決議に対して公明党は屋上屋を重ねるものであるとし、反対の意見を表明しました。内容は、以下の通りです。
公明党世田谷区議団は、議員提出議案第2号「資源循環と地球温暖化防止に寄与する清掃・リサイクル政策を求める決議」に反対する立場から意見を申し上げます。そもそも21世紀を「環境の世紀」とするため、資源循環型社会の構築を目指し、さらには地球温暖化防止に向けての政策実現に当たって公明党ほどその先進的役割を果たしてきた政党はないと自負するものであります。
1999年10月に発足した連立政権の政策合意には公明党の主張で「2000年度を循環型社会元年と位置づけ、基本的枠組みとしての法制化を図る」と記され、その後様々な論議が積み重ねられて翌年2000年5月に環境分野の憲法とも言える「循環型社会形成推進基本法」が成立したことは周知の事実であります。そして資源循環型社会を目指すこの立場は世田谷区においても変わらぬ真理であります。  「環境立区・世田谷」の構築に全力をあげて取り組む決意をまず表明するものであります。さて、今般の決議案でありますが、共に資源循環型社会を目指そうとの思いは良く理解できますが、実施を求める2つの項目に関して言えば、双方とも当議会ですでに確認されている内容であり、なぜ今改めて決議する必要があるのか理解に苦しむものであります。決議の各項目に入る前に前段の部分で気になる点があるので指摘させていただきます。
環境省が発表した調査研究報告を引用し、「リサイクルと熱回収を比較した場合、リサイクルに資源節約効果と二酸化炭素排出量の削減効果がある」ことを記されています。この報告は平成20年8月7日の「プラスチック製容器包装の再商品化に伴う環境負荷の削減効果について」を指すものと思われますが、確かにそれぞれについて数値的には効果があることを示しております。ただし二酸化炭素については個々の再商品化手法に複数のオプションが設定されているため削減効果の数値が2倍から3倍も幅がある数値となっており、当該報告書の最後にも「更なる評価・検討が必要とされていることから、今後もプラスチック製容器包装のリサイクルに伴う環境負荷について調査を継続して行う」と結んでおり、最終的な調査結果でないことは明らかであります。
この点についてはもう少し経過を見ても良いのではと考えます。さて、それぞれの項目について簡潔に述べます。
まず決議の第1ですが、プラスチック容器包装を「資源」と位置付けることを明確にし、すみやかに更なるごみ減量と資源循環のための取り組みを進めることとありますが、もともと全体的な法体系の中で、資源として位置づけられているものであり、さらなる取り組みについては昨年の陳情の趣旨採択で当区議会の意思はすでに明確に示されており、その後状況の変化があったとは思われず、ここで改めて決議する必要はないのではと考えます。
次に決議の第2でありますが、「拡大生産者責任」の強化については当然のことであり、自治体として積極的に働きかけていくべき点は同感であります。ただ、この点についてもすでに平成16年11月に、容器包装リサイクル法の改正検討段階で世田谷区は東京都、他自治体と共同して政策提言を提出しており、その提言については今もなお生きているものと考えます。また、毎年全国市長会が要望を提出しており、屋上屋を重ねる点について若干疑問が残ります。
確かにサーマルリサイクルがベストな選択であるとは我々も思っておりませんし、現在の環境下では現実的な選択であると考えます。そうした中で、容器包装プラスチックの資源回収に関しては今般ペットボトル、白色発泡トレイに拡大することが決められており、大きな前進とわが党は考えます。さらに昨年来わが党を始め各会派の質疑で明らかなように、区は中間処理施設の確保に向けあらゆる努力を傾注していることを評価するものであり、その具体実現をこそ区議会として求めていくべきなのではないのでしょうか。
実質的な資源回収に向けて、より具体的な議論を積み重ねることこそ、今世田谷区議会に求められていることでなないでしょうか。以上、議員提出議案第2号に対しての反対意見といたします。
次に10月1日本会議にてあべ力也議員に対する議員辞職勧告決議。全員賛成で決議。公明党の賛成意見は次の通りです。
公明党世田谷区議団を代表して、議員提出議案第4号「あべ力也議員に対する議員辞職勧告決議」に賛成の立場から意見を申し上げます。
去る9月26日、あべ議員に対する民事訴訟に関し、東京地方裁判所において、わいせつ行為があったと認定し、被害者に対して損害賠償を支払うよう命じた判決が出されました。昨年11月に民事訴訟が提訴されたとの報道に対して、世田谷区議会としてどう対処すべきか、我が党として真剣に議論をしてきたところであります。
この間、私どもは、区民の多くの方から怒りの声を聞いてまいりました。世田谷区議会としてどのような判断をされるのか、このまま放置しておくのか、議会としての自浄能力に欠けているのではないのか、と強く問われてきたのであります。しかしながら、民事訴訟という事件の性格から、その係争中に、軽々に議員の身分に断を下すことは大変困難なことであり、苦渋の選択を迫られることでもありました。
しかるに、あべ議員は11月の報道以来、病気療養中との理由から、本年の第1回定例会、更には第2回定例会など欠席を続けられたのです。
このことは思いもよらぬことでした。議会人としての一番の基本であり、最重要の使命と責任を自ら放棄したあなたの姿は、たとえどんな理由があるにせよ、到底許されるものではないのであります。
長きにわたり欠席していても報酬は受け取る、これがあなたの言う議員の特権なのでしょうか。何より世田谷区民に対して、あなたを信じ投票した、選挙民に対する背信行為のなにものでもありません。また、新たな事実として第2回定例会会期中、あべ議員は病気療養中との理由にも関わらず、国会議員政策秘書の口述審査に出向いていたことは、あなたの行動に、信憑性を感じられないものであり、議会長期欠席の理由は破たんしたと言っても過言ではありません。たとえ一審といえども、このたび、司法の判断が下されたことを我々は厳粛に受け止めざるを得ません。
今回の騒動が、世田谷区議会の信頼を落とし、品位と権威を著しく低下させた責任は、甚大であります。検察の起訴を待つとの意見も一部ありますが、今、この時に結論を出さずして、いつ出すのでありましょうか。
さて、民主党にも一言申し上げたい。今回、共同提案されたことは評価いたしますが、昨年の森前議員に引き続き、民主党党籍のある方が、このような事件を起こしたことはまさに慙愧に堪えません。猛省を促すものであります。以上、賛成意見といたします。